国税庁は和5年度分、会社標本調査結果を公表しました。この調査は、現在活動中の令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に終了した各事業年度について、一定の期日までに申告のあった内国法人の申告状況等をもとにして取りまとめたものです。この調査結果をもとに、我が国の最近の法人企業の実態について見てゆきたいと思います。
(1)会社標本調査とは
本調査は、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施しているサンプル調査です。今回の調査は74回目で、日本全国で約231万社法人企業が調査対象になっています。
(2)調査内容
法人数全体は11年連続で増加し、そのうち、黒字の法人数は、前年度比1.9%増加の約115万社であり、3年連続で増加し、過去最大でした。
一方で、赤字法人は前年度比1.5%増加の約180万社であり、4年連続で増加しました。
また、営業収入金額と所得金額についても、いずれも前年度より上昇し、過去最大の数値となりました。営業収入は、前年度比2.2%増加の約1,760兆円であり、所得金額についても、前年度比14.7%増加の約91兆円となりました。
(3)業種業態別の所得金額について
所得金額の増加額・増加率を業種別にみると、増加額が最も大きいのは、「機械工業」、次いで「小売業」、「建設業」となっており、増加率が最も高いのは、「食料品製造業」、次いで「農林水産業」「出版印刷業」となっています。一方で、所得金額の減少額・減少率を業種別にみると、減少額が最も大きいのは、「運輸通信公益事業」、次いで「鉱業」、「化学工業」となっており、減少率が最も大きいのは、「鉱業」、「次いで「繊維工業」、運輸通公益事業」となっています。