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制度の概要

 一定期間内において、免税事業者が適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)となったこと、または課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる場合には、小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用があります。

 これは、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、当該課税標準額に対する消費税額に8割を乗じた額とすることにより、納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができることとするものです。

 たとえば、課税売上高が750万円、消費税等が75万円の場合、納付すべき消費税額は、2割特例適用により75万円-75万円✕80%=15万円となります。

適用対象者

 2割特例の適用対象者は、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった者です。

 ただし、基準期間(原則として、個人事業者はその年の前々年、法人はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1千万円を超える場合など、インボイス発行事業者の登録と関係なく事業者免税点制度の適用を受けないこととなる場合や課税期間を1か月または3か月に短縮する特例の適用を受ける場合については、2割特例の対象とはなりません。

特例適用期間

 2割特例を適用できる期間は、和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間です。

 免税事業者である個人事業者については、令和8年分までが適用対象期間となり、免税事業者である3月決算法人については、令和9年3月期決算分までが適用対象期間となります。

適用手続

 2割特例については、原則課税と簡易課税のいずれを選択している場合でも適用可能で、事前の届出は必要なく、消費税の確定申告書に2割特例の適用を受ける旨を付記することで適用を受けることができます。

 また、継続適用は要件とされていませんので、消費税の申告の都度、適用の有無の選択が可能です。

簡易課税制度の選択

 原則的な消費税簡易課税制度選択届出書の提出期限は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日となっています。

 これに対して、2割特例の適用を受けたインボイス発行事業者が、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、消費税簡易課税制度選択届出書を提出したときは、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。

確定申告書

 2割特例を適用する場合であっても、消費税及び地方消費税の確定申告書第一表については、簡易課税制度を選択している場合は簡易課税用を、選択していない場合は一般用を使用することになります。