Skip to main content

はじめに

高市早苗内閣総理大臣が、飲食料品の消費税を2年間ゼロとする施策に関して、税率ゼロの「課税取引」として実施することを明らかにしました。

改正法案を早期提出へ

高市総理は2月20日、国会で施政方針演説を行いました。令和8年度税制改正関連法案をはじめ、今年度末までに成立が必要な法案の早期成立や予算の迅速な審議を呼びかけました。

「給付付き税額控除」の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革については、超党派で構成される「国民会議」で検討を進め、結論を得るとしています。同制度導入までの間の負担軽減策として、現在軽減税率が導入されている飲食料品については、2年間に限り、消費税率をゼロ税率とすることについて、諸課題の検討を加速する方針が示されました。野党の協力が得られれば、夏前には中間とりまとめを行い、税制改正関連法案の早期提出を目指す方針です。

国民民主党の玉木氏に対する答弁

国民民主党の玉木雄一郎氏は、上記の高市総理の施政方針演説に対して2月25日に衆院本会議で代表質問を行いました。「2年間限定の飲食料品消費税ゼロ」の懸念事項として、複数の質問を投げかけました。

飲食料品の消費税ゼロという点について、玉木氏は、「『非課税取引にする』という意味か、それとも『課税取引だが免税あるいはゼロ税率』という意味なのか。仕入税額控除や還付が認められるかどうかなど事業者への影響も大きく変わってくる」などと質問しました。高市総理は「政府・与党としては、仕入税額控除を維持し、課税が累積することを防ぐため、『非課税取引』ではなく引き続き『課税取引』とした上で、消費税率をゼロにすることを想定している」と答弁しました。また、「酒類や外食、ケータリングなど、現在は軽減税率の対象となっていない品目も含めて、消費税をゼロにするのか」という玉木氏の質問に対して、高市総理は「政府・与党としては、現在軽減税率が適用されている飲食料品を対象として実施することを想定している」と答えています。このほか、施策の実施時期、還付申告が新たに必要となる事業者や外食産業、農家等への影響などについては「国民会議」で議論する旨を答弁しました。

【飲食料品の消費税ゼロの施策】

  • 税法上の位置づけ  政府・与党は税率ゼロの「課税取引」を想定
  • 対象品目      政府・与党は現在軽減税率の対象となっている飲食料品を想定
  • 実施時期など    国民会議で議論

「課税取引」になることによる影響

同じ消費税ゼロであっても、非課税取引として消費税ゼロになる場合と課税取引として消費税ゼロになる場合では、その影響が大きく違ってきます。

「非課税取引」の場合、飲食店などへのダメージは大きくなりますが、政府が「課税取引」として実施する方針を示したことで非課税取引の場合より飲食店等への影響が小さくなると考えられます。一方、「課税取引」になる場合には、飲食店などは消費税の還付申告をする必要が出てくるため、事務手続きがこれまでよりも煩雑になることが想定されます。事業者の負担軽減を考慮した制度設計が求められます。なお、インボイス制度に未登録の免税事業者(2割特例適用事業者等)については、仕入税額控除の還付が受けられない場合があります。農家や小規模飲食店への影響も含め、詳細は国民会議での制度設計を待って確認する必要があります。