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補助金をいつ収益として計上すべきかというのはよく問題になる論点です。補助金の原則的な計上時期とともに実務で頻出する支出と受取のズレに対する考え方を解説します。

はじめに

補助金の収益計上時期はよく問題になる論点です。原則的な計上時期と、実務で頻出する支出と受取のズレへの考え方を解説します。

原則は「交付決定日」計上

法人税法上、補助金の収益計上時期は原則「交付の決定があった日の属する事業年度」とされ、これは「権利確定主義」に基づきます。実務で陥りやすいのは「入金時」に仕訳計上するミスですが、税務上認められません。

  • 交付決定通知が届いた日:未収入金 / 受取補助金
  • 実際に入金された日:現預金 / 未収入金

たとえ入金が翌期であっても、通知が当期中に届いていれば、当期の収益として法人税の計算に含める必要があります。

期ズレへの対応

補助金の多くは、「経費を先に支払い、後に精算する」というプロセスをたどります。ここで、支出が当期に行われ、補助金の確定通知(収益計上)が翌期になるという「期ズレ」が発生します。例えば雇用調整助成金など特定の経費を補填する補助金は、通達により「経費が発生した事業年度の収益」として計上が求められます。交付決定通知が翌期でも、当期経費の補填を目的とする補助金であり、かつあらかじめ交付を受けるために必要な手続き(例:雇用調整助成金であれば事前の休業等計画届の提出)を完了している場合は、当期の未収入金として収益計上が必要です。

コロナ禍ではこの種の補助金が多く支給され話題となりました。資産取得型では決算日時点で「申請済み・交付決定前」のケースがあり、資産購入代金は当期支出、補助金は翌期収益となります。このずれを調整し課税を先送りする制度が「圧縮記帳」ですが、適用には「補助金の確定」が前提です。

圧縮記帳による課税繰延べの実務

「期ズレ」をクリアして収益計上しても、次は「多額の課税」が待ち構えます。国庫補助金等で固定資産を取得した場合、補助金相当額を損金算入(資産価格を減額)できる圧縮記帳が認められています。

圧縮記帳の適用フロー

補助金の益金算入と同時に、同額を資産の圧縮損として計上します。当期の税負担は実質ゼロとなります。

当期は一旦、資産を全額で計上。翌期に補助金が確定した際、その確定した年度において圧縮記帳を行います。

当期に受け取った補助金をそのまま収益にせず、「仮勘定」として処理することで、翌期への課税の繰延べが可能です。

ご注意ください

補助金の返還不要が当期末までに確定していない場合は、法人税法43条に基づく「特別勘定」を設定することで損金算入できます。「仮勘定」と「特別勘定」(法43条)は別制度であり、用語の混用に注意が必要です。

実務担当者は①交付規程の熟読、②未収計上の検討、③証憑の保存を徹底すべきです。補助金は「もらって終わり」ではなく、会計・税務処理までがセットです。適切な期分けと圧縮記帳の適用こそが、「補助金活用」と言えます。